
展示
exhibition旧水海道小学校本館
旧水海道小学校本館
水海道小学校本館は、1881(明治14)年に建築されました。1921(大正10)年、同校の校舎移転にともない本館も移築され、玄関部などが一部改造されました。
1958(昭和33)年、建築当時の面影を伝え、明治初期の小学校建築の形態を保存しているので、茨城県文化財に指定されました。
1971(昭和46)年、本館は水海道市(現常総市)から当館に寄贈されました。そして、1973(昭和48)年建築当時の設計図などをもとに、当初の姿に復元しました。
1974(昭和49)年、茨城県立歴史館が開館し、旧水海道小学校本館も公開しました。1976(昭和51)年からは、旧本館内部に展示室を設け、教育資料及び水海道小学校関係の資料を展示しています。
2015(平成27)年2月、NHK総合の番組「ファミリーヒストリー」羽田美智子~文化財を建てた宮大工 祖父の戦死の真相~で紹介されました。
2016(平成28)年1月、BS日テレの番組「知られざる百年遺産 わが町の建築物語」第163回放送 明治のハイカラ校舎「旧水海道小学校本館」で紹介されました。
水海道小学校資料展示室
1875(明治8)年に開校した水海道小学校(現在の常総市立水海道小学校)の歩みとその前身となった寺子屋時代の資料、スタインウェイ&サンズ社製ピアノに関する資料を展示し、水海道小学校の歩みをたどれるようにしています。
また、水海道市市制50周年記念作品「旧水海道小学校本館物語 ―志は藍より青し-」のDVDを視聴できるようにしています。
ピアノ展示室
1865(慶応元)年、アメリカ・ニューヨーク市のスタインウェイ&サンズ社で製造され、製造番号は11013番です。製造当時には、ローズウッド木地仕上でした。長さは203㎝、鍵盤は85鍵(白鍵・象牙製・50鍵、黒鍵・黒檀製・35鍵)です。このピアノには、ヘルツ式スプリング採用・ダブルエスケープメント・レペティションアクションという素早い連打を可能にするメカニックがあり、これは現代のピアノアクションの原形といえます。
1871(明治4)年、ハーパー夫人によってこのピアノが購入され、横浜へ向けて送られました。日本に洋楽が導入された幕末・明治維新期のピアノのうちの1台で、文明開化を象徴する楽器でもあります。
1932(昭和7)年12月、水海道小学校が講堂の完成を記念して、東京の楽器店から、同校後援会の寄付金と町の予算を合わせ、1,200円で購入しました。同校では音楽の授業や各種の儀式、音楽会などにこのピアノを活用してきました。同年に片野治郎平先生が音楽教育の一環として「金の鈴合唱団」を作ったり、その後、同校が各種の音楽コンクール等において素晴らしい成績をあげたりしたことも、このピアノの存在によるということです。
1975(昭和50)年、このピアノは同校から当館に寄贈され、翌年から旧水海道小学校本館の展示室において展示されてきました。
1990(平成2)~1991(平成3)年、このピアノの全面修復がなされました。1992(平成4)年10月18日に、修復記念コンサートが当館講堂で開催され、往時をしのばせる音色が甦りました。
2013(平成25)年、2月、各方面のご協力を賜り。「ちょっとむかしの教室」の様子が再現されました。
パネル展示「戦後茨城の母子運動家・鯉渕鉱子と水海道小学校」
会期:令和5年8月12日(土)~ 令和6年3月17日(日)
本パネル展では、戦後茨城の混乱期から母子福祉運動に邁進した鯉渕鉱子(こいぶちかねこ)の足跡を、水海道小学校との関わりを交えながらたどります。
旧水海道小学校本館1階・パネル展示は無料でご覧いただけます。