企画・特別展
SPECIAL
音楽家・松平頼則とその時代 -時代を切りひらいた巨匠(マエストロ)の軌跡-
企画展3
音楽家・松平頼則とその時代
-時代を切りひらいた巨匠(マエストロ)の軌跡-
旧石岡(常陸府中)藩主の府中松平家に生まれた松平頼則(まつだいらよりつね)[1907-2001]は、日本の現代音楽の創始者と称される世界的な作曲家です。
多くの国際的な賞を受賞し、日本人として初めてヨーロッパの音楽祭の国際審査員に選ばれるなど、日本の伝統音楽を西洋音楽の技法で表現したその音楽は、国際的に高い評価を受けています。特に、代表曲「盤渉調越天楽(ばんしきちょうえてんらく)によるピアノと管弦楽のための主題と変奏」(1951)は、ヘルベルト・フォン・カラヤンがその生涯で指揮棒を振った、ただ一人の日本人作曲家の作品としても知られています。音楽界での長年にわたる功績が認められ、平成8年(1996)に文化功労者に選ばれました。
頼則が生きた20世紀の日本は、2度の世界大戦を経験し、社会制度も大きく変化した激動の時代でした。旧藩主、そして華族(子爵)の家柄であった府中松平家も、経済恐慌や戦争などの影響を受け、いく度かの浮沈を経験しています。日本を代表する鳥類学の研究者、鳥類標本の収集家でもあった頼則の父頼孝(よりなり)の事蹟もふくめ、同家の歴史は、近世から近代にかけての日本の歴史や文化をひもとく上で、貴重な手がかりを与えてくれます。しかし、その資料の多くが、実は時代の変遷の中で散逸しています。
当館では、令和元年(2019)より、外部研究者の協力を得て、松平家に残された頼則関係資料の保全・調査・整理を進めてきました。本展では、その貴重な資料を中心に、20世紀という激動の歴史をふり返りつつ、世界に挑戦つづけた音楽家・松平頼則の軌跡を紹介していきます。
会期:令和5年10月28日(土)~12月17日(日)
松平頼則肖像写真(部分 昭和戦前、個人蔵)
WEINGARTNER-PREIS 1939(ワインガルトナー日本作曲家賞、個人蔵)
松平頼則作曲 《主題と変奏》より第一変奏 自筆譜(1951年頃、個人蔵)
9代石岡藩主・松平頼縄肖像画(明治中~後期、個人蔵)
※本展覧会の担当研究員による関連エッセイは、下記をご参照ください!
<近代茨城の肖像>(17)松平頼孝 鳥に魅せられた「若殿」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
<近代茨城の肖像>(18)松平頼則 カラヤンが認めた才能:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
関連行事 |
◆音楽鑑賞会「松平頼則作品・ピアノリサイタル」
Satoko Inoue photo by Masaco Kondo
日時:11月26日(日) 13時30分~14時30分
場所:当館・旧水海道小学校本館(要入館券・事前申込制・先着45名)
出演:井上 郷子 氏(ピアノ、元国立音楽大学教授)
賛助:江田 真姫子 氏(ソプラノ、藤原歌劇団準団員)
詳細・お申込はこちらから
※9月26日(火)より申込受付開始
◆特別講演会Ⅰ「20世紀における現代音楽と松平頼則(仮)」
日時:11月19日(日) 14時~15時30分
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◆特別講演会Ⅱ「音楽史の宝物-松平頼則資料の魅力を語る!-」
日時:12月2日(土) 14時~15時30分
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◆特別上映会「東芝日曜劇場 祇園花見小路」
日時:11月18日(土)、12月9日(土) 各日10時30分~11時30分
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◆ギャラリートーク
日時:11月23日(木・祝)、12月9日(土) 各日13時30分~14時30分
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